【レビュー】おすすめの中華イヤホン:TONEKING T88K

2020年3月15日

TONEKING T88K
TONEKING T88K
TONEKING T88K 8動鉄単元、銀めっきの線材がある特別のHiFiイヤホン (青)

T88Kは、先進的なオーディオ技術を惜しみなく投入して、他とはちょっと違った高音質イヤホンを作っているTONEKINGの8BAドライバーイヤホンです。

大きめだが装着感は良い

8基のドライバーを納めたハウジングははっきり言って大きいです。厚みもかなりあります。しかし樹脂で丁寧に耳にフィットするよう考えられて作られているので、大きさの割に耳へのフィット感は悪くありません。

スマホでもよく音が鳴るイヤホン

TONEKING T88kは8基ものドライバーを搭載した高級機種ですが、その音質を楽しむのに特別な高級デジタルオーディオプレーヤーやアンプを必要としません。このイヤホンのインピーダンスは16Ωしかなく、スマホでも簡単にその音質を味わうことができます。しかしそのことはバックグラウンドノイズに煩わされる可能性も示唆しており、場合によってiFi-Audio EarBuddyなどのノイズクリーナーを使用する必要があるかも知れません。

広い音場

TONEKING製品は音場が広く開放的な音響で知られていますが、このT88Kも例外ではありません。僕の知る限り、この価格帯でここまで広い音場表現を持っている機種は他に類例がないように思われます。しかし鋭い読者の方は、こうした広大な音場表現では音像は小さく、不明瞭な鳴り方をするかも知れないということに気づくはずです。

ご心配なく。TONEKINGは音場の広さで知られているとともに、音像の良さでも優秀なメーカーとして知られています。驚くべきことですが、このイヤホンは広大な音場を持っているにも拘わらず、小音量でも分離と存在感のある音像を提供します。

ナチュラルサウンド

とはいえ、初めてTONEKINGの音質を味わった人はその味気なさに驚くかも知れません。そこにはほとんど何の強調もなく、他社のバランスドアーマチュアの派手な音に慣れていると、音の発色は抑えられているように感じるはずです。高低のバランスもフラットで特徴を掴みづらいように思うかも知れません。しかし意識を集中して低音の深さを感じてください。実はかなり深いところまで下がっていることが分かるはずです。次は左右。上。ゆっくり確認しましょう。その広大な音場を確かめるごとに、その定位感の素晴らしさがはっきりと認識できるはずです。

しかし少し使い続ければ、このイヤホンに他のイヤホンのような演出感は必要ないことに気づくはずです。広い音場に明確な音像を持つこのイヤホンに、わざわざ音に味を加えて目立たせる必要は無いのです。これまで味付けの多いイヤホンに慣れていた人でも、TONEKINGの音を味わうと、その自然で定位感が明確、音像がきれいに聞こえる音に魅了されるはずです。この音はTONEKING製品でしか味わえません。

コストパフォーマンス

派手な音を求めているなら、TONEKINGはおすすめできません。しかし、広大で淡く広くきれいに聞こえる自然なサウンドを求めているなら、TONEKING T88Kは有力候補です。この価格で高級機種でも味わえない最高の音場表現を持つイヤホンだということを考えてみて、その魅力に惹かれたなら、かなりコスパが良いかもしれません。

TONEKING T88K

8.7

装着感

8.5/10

高音

9.0/10

中音

9.0/10

低音

9.0/10

コスパ

8.0/10

Pros

  • 最高クラスの音場
  • ナチュラルサウンド

Cons

  • ハウジングがでかい