【レビュー】おすすめの中華イヤホン:SIMGOT EK3

2020年3月15日

SIMGOT EK3
SIMGOT EK3
SIMGOT EK3インイヤーイヤホン、イヤモニ型、4調音モード付き、HiFiハイブリッドトリプルバランスドアーマチュアドライバーを搭載(3 Knowles BA)、3Dプリント樹脂シエル、着脱式ケーブル付きのIEMイヤホン(透明)

SIMGOTの新作イヤホンEK3は音質変更スイッチを搭載した意欲的なモニターIEMです。「縦横家」と名付けられたシリーズの製品になります。その名にふさわしく、柔軟に音質を調整できます。

ビルドクオリティ

SIMGOTのEK3のデザインは最近のIEMの流行スタイルを踏襲しており、qdcやHIDIZSと同等の、良好な装着感を実現しています。遮音性は高く、固定力も高めです。透明感のあるシェルデザインも美しいです。

SIMGOTの2pinコネクタは工作精度も高く、ケーブルのピン側も保護されているので耐久性が高めです。

この機種の特徴はハウジング後方にスイッチを搭載しており、それによって音質を調整できることです。

仕様など

商品情報
ブランド:
SIMGOT
商品名:
3BAドライバー3ウェイ回路のユニバーサルIEM
型番:
EK3
色:
クリア、クリアブラック
装着方式:
耳掛け型
対応端子:
改良型0.78mm 2pinコネクタ
内容物:
イヤホン本体、0.78mm 2-pin OCC&SPC混合ケーブル、イヤーピース、耐圧ハードレザーケース、チューニングブラシ、VIPカード&保証書、取扱説明書

技術スペック
ドライバー :
knowles 22955、knowles 30017
再生周波数帯域 :
20Hz-40kHz
音圧感度 :
≥115dB(at 1000Hz)
インピーダンス :
14Ω-18Ω
音圧感度誤差 :
<0.75% 101dB(20μpa)
左右音圧感度誤差 :
<1.5dB(at 1000Hz)
コード :
0.78mm 2-pin OCC&SPC混合ケーブル
SoundTube材質 :
アルミニウム酸化サウンドチューブ
加工方法&材料 :
3Dプリント|ドイツ製医療用レジン

http://www.simgot.com/jp/products/detail/19.html#!/specs

音質

まず簡単にこのイヤホンについているスイッチの効果について紹介します。SIMGOT EK3には両サイドにそれぞれ2つのスイッチが付いています。これによって音質の調整が可能です。スイッチは爪で切り替えることは不可能で、付属のツールブラシでの切り替えが推奨されています。金属ピンはスイッチを破損する可能性があるので推奨されていません。

  • 1 OFF/2 OFF ボーカルフォーカス強め
  • 1 ON/2 OFF 低域偏重
  • 1 OFF/2 ON バランスのよいフラット
  • 1 ON/2 ON トーン重視

このレビューでは基本的に、音質はスイッチ「1 OFF/2 ON」のバランスで聴いています。

低域

この価格帯のイヤホンの中では、EK3の低域の忠実度は優秀です。深くてきれいな音です。ダイナミックイヤホンと同等のパワフルさを提供することは出来ませんが、重低音に広がりが感じられ、それなりの深みを出してくれます。とても深いというわけではありません。そのため、重低域の振動感はほどほど抑えられており、一定の透明感のある低域になっています。スイッチ1をONにすると低域の存在感は増します。中低域ではスピード感も充分で、複雑な床面表現も分析的によく聴かせてくれます。量感の強調は必ずしも強めではありませんが、活き活きしています。

中域

SIMGOTのイヤホンを好む人の多くが、中域の表現の清潔感を伴いつつも、ほどよく温かみのある、中庸なバランスの良い表現を美点としてあげます。決して豊かではありませんが、モニター的過ぎないほどよい見通し感が用意されており、音場はスカスカではありません。実際のところ多くのレビュアーがこの若干モニターライクに寄った、しかし自然な暖かみと膨らみも感じさせてくれる中域を高く評価しています。

基本的にはモニター的で音の分離感を意識しつつも、中域は高域と低域に自然なつながりをもたらすほどには充実しています。そのため、中高域の鮮やかな表現がより自然な実体を持って聞こえてくるので、聞き疲れせず、音に没入できるのです。またボーカルに自然な暖かみをもたらしてもいます。

高域

全体としては高域はマイルドカーブしています。アタック感を少し主張しつつも、シャープネスは強調せずに優しく空気に溶け込んでいくかのようです。バランス設定では明らかに中高域にディテールの集中が見られます。スイッチ設定を変更することで幾分このバランスをずらすことは出来ますが、大きく性格が変わることはありません。したがって、多くの人にとってEK3は、ほっこり感を少し持ちつつ、アタック良好で鮮やかな感じで、春風の中で音楽を奏でているように聞こえるはずです。

サウンドステージ

全体の位置取りはやや前に出ています。奥行きは比較的良好、左右は少し張り出し気味に耳裏近くまで到達するように聞こえるかも知れません。

コストパフォーマンス

もし4万円以内で、聴き心地と解像度を両立させたモニターライクなイヤホンを探しているなら、SIMGOT EK3は最良の選択肢の一つでしょう。少しだけ派手な音ではありますが、アコースティックな曲もデジタルな曲も万能に心地よく聴かせてくれるような音響になっています。変化は大きくありませんが、スイッチで音質傾向を調整できるのも大きいでしょう。コスパは高めです。

より詳しい情報

より詳しい情報については以下のレビューを参考にして下さい。

SIMGOT EK3

9.2

装着感

9.0/10

高音

9.0/10

中音

9.0/10

低音

8.5/10

コスパ

9.5/10

お気に入り度

10.0/10

Pros

  • ビルドクオリティが高い
  • 温和で聴きやすい
  • モニター的で詳細
  • 低域のディテールが良い
  • 中高域も鮮やか
  • 音にきついところがない

Cons

  • シャープネスに欠ける
  • 低域は力不足に感じるかも知れない