【レビュー】おすすめの中華イヤホン:iBasso Audio IT01S

2020年3月15日

iBasso Audio IT01S
iBasso Audio IT01S
iBasso Audio DiNaTT ダイナミックドライバーイヤホン IT01S (ブルーミスト) 【日本国内正規品】 【日本から発送】

iBassoというメーカーはあまり聴いたことがない人が多いかも知れませんが、デジタルオーディオプレーヤーを精力的に出している中国のオーディオメーカーです。そのiBassoが今回イヤホンを出してきたのですが、それが高品質音響技術を詰め込んでいるパフォーマンス機でありながら、お値段は手頃な2万円台という高コスパ機種でした。

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イヤホンの音質におけるイヤーピースの重要性が再認識されている  最近のオーディオ製品の主役といえば完全ワイヤレスイヤホンです。オーディオの売れ筋ランキングの上位が完全ワイヤレスイヤホンで占められることも珍しくない、というのが最近の傾向で、新たなオーディオブームの火付け役になっているとも過言ではありません。 ...

独自のDiNaTTドライバー

このイヤホンにはDiamond Nanotube Tesla Technology、略してDiNaTTという技術導入されています。これは大きく3つの高品質音響技術の複合体であり、Diamond/Nanotube/Teslaという3つの技術から成り立っています。

最初のDiamondとは、ダイヤモンドライクカーボンという素材を使っているということで、これは最近流行のグラフェンと同じように硬度の高いカーボン材質です。低価格機種でも採用が増えているグラフェンに比べてダイヤモンドライクカーボンは主に高級機種で使われており、こうした硬質素材の音質傾向としては高域特性や音の輪郭感に鮮明さが出ることが特徴です。ただしこのIT01Sは振動板自体をダイヤモンドライクカーボンでコーティングしたわけではなく、センターキャップ素材として使っているそうです。

振動板はカーボンナノチューブ素材で2番目に出てきている「Nanotube」に当たり、このカーボンナノチューブはアルミニウムの半分の軽さで鋼鉄の20倍の強度を持つという先進素材です。元々はJVCケンウッドが大々的に振動板素材として使い始めて、とくに低域方向で繊細な音の再現力を持っているとされています。

そして3番目の「Tesla」はテスラテクノロジーというもので、強力な磁気回路システムでドライバーの駆動力を高めるというもの。ドイツの老舗オーディオメーカー「beyerdynamic」がヘッドホンにこの技術を搭載していますが、この技術を最初に搭載したイヤホンを出したのが日本でもお馴染み、韓国のアイリバー社のオーディオブランド「Astell&Kern」で、そのイヤホンT8iEはアタック感が強く、パーカッションがキレキレでハイスピードな音を奏でます。このスピード感やメリハリ感を出す強力な駆動力システムであるテスラテクノロジーを搭載しているというわけで、つまるところ人気の高級オーディオ技術全部入りという恐るべきイヤホンでありながら、価格は2万円台という、そのコスパにびっくりさせられるわけです。中華のイヤホンってこういうの多いですね。

洗練されたスタイリッシュなデザイン

iBassoはデジタルオーディオプレーヤーでも無駄の少ない、洗練された高級感のあるデザインで多くのファンに支持されているのですが、このIT01SもiBassoらしい品のあるデザインになっています。イヤモニに多い耳当たりの良い流線形を採用しながら、ハウジングはメッキ処理されて未来的な感じもあるデザインになっており、ケバケバしさや野暮ったさとは無縁の、すっきりした高級感を出しています。

メンテナンスにも充分留意されており、予備のノズルフィルターが付属します。

宇宙工学的ともいえる、高級感のあるデザイン

清涼感のあるスタイリッシュな音質

そして音質も外観にふさわしいスタイリッシュな音です。押し出しは強くなく、厚みは耳に優しいふんわりした形ですっきりした味わいですが、テスラテクノロジーの恩恵か音にハキハキとしたメリハリ感はあり、やや細めに締まった感じの音がさわやかな音楽空間を奏でます。高域から低域まで見通しはよく音像も把握しやすいですが、明瞭感はきつく出さずに清潔な感じで聞き疲れしない音を実現しています。amazonなどで売られている中華メーカーのイヤホンはケバケバしい高域のものが多いですが、それとは全く別次元の品格を感じさせる爽快な音です。メリハリ感と見通し感のある音像の解像度が高い音ですので、ジャンルとしては万能に近く、長時間聴いても聞き疲れしにくいうえに特定の周波数に重点を置いていないため、DTM作曲用のモニター機にも向きます。

コストパフォーマンス

コスパはかなり高いです。ただし2万円台から5万円台の有線イヤホンは現状激戦区となっており、実力機が揃っています。そのため押し出し感の少ない音のこの機種は、高級オーディオ技術全部入りという派手な宣伝文句とは裏腹に、鮮烈な個性はなく、非常に上品で穏やかな色合いのイヤホンになっているため、短時間の試聴の範囲ではその良さがいまいち伝わりづらいところがあります。店頭で試聴する場合はかなりじっくり聞き込んでみると、その音のジャンルの広い表現力に気づくと思います。

iBasso Audio IT01S

8.3

装着感

8.0/10

高音

8.5/10

中音

8.0/10

低音

8.0/10

コスパ

9.0/10

Pros

  • 上品なデザイン
  • スッキリしたサウンド
  • 音のメリハリ感