【レビュー】おすすめのイヤホン：AR:TIO RK01

2019年5月18日2021年5月21日

知る人ぞ知る音響メーカーAR:TIOのダイナミック1発イヤホンです。ダイナミック1発とは思えない高解像度の中高域が病みつきになる恐ろしいイヤホンです。ちなみにAR:TIO RK01のパッケージにはTTR株式会社とありますが、これは「茶楽音人」ブランドを展開しているTTRと同じところかと思われます。

ビルドクオリティ

ビルドクオリティは悪くありません。ヘアライン仕上げされているチタン合金の武骨なデザインは工業的で美しくさえあります。しかし、装着感は若干硬めで好みを分けそうです。

ケーブルは豪華にも3本付属しています。2.5mmと4.4mmのバランスケーブルに、3.5mmアンバランスケーブルの構成で、基本的にどんな音響機器とも相性抜群です。

仕様など

素材：チタン合金
ドライバーユニット：Φ10mmダイナミック型
音響方式：密閉型
出力音圧レベル：109 dBSPL/mW
周波数特性：20Hz～20kHz
最大入力：200mW
公称ユニットインピーダンス：18 Ω
質量：約13.5g（ケーブル含まず）
Color
https://artio.co.jp/products/rk01

リンク

音質

歪みが少なく、非常に明瞭感のあるサウンドながらも明るさを強調する感じがなく、澄んでいて素直な印象を受ける中高域が魅力です。とくに女性ボーカルに焦点が当てられています。

低域は量感はそれほど強調されず、タイトでスピード感はやや強く、硬質な印象を受けます。この音域はあまり主張が強くなく、主役ではありません。

中域に移ると途端に視界の開けた広大な音場が広がっています。中域は上に向かってなだらかに厚みを持たせられている印象で、女性ボーカル付近がもっとも豊かできれいになります。そこからは高域に向かってひたすら透明で伸びの良い空間が高域まで広がっていて、中高域は一貫性の高い透明感を持っています。1ドライバーならではの一体性の高さを感じられます。

この中高域は非常に完成度が高く、3万円以内に限れば聴き心地はかなり素晴らしいと思えます。ただし発色は悪くないですが、高域の解像度はあまり高くないのでデジタル系の音は少し緻密さに欠け、EDMよりはピアノ系やヴァイオリン系のアコースティックな音に女性ボーカルが聞こえる曲のほうが得意そうです。

コストパフォーマンス

恐るべき透明感のある中高域を持つサウンドです。AR:TIO以外ではなかなか味わえないこの中高域の虜にされてしまった犠牲者も多い因果なイヤホンと言えます。このイヤホンは付属ケーブルが3本とやや豪華になっているために高くなってしまっているところもあるのが一本釣り狙いの人には少し残念ではありますが、この価格帯のイヤホンを愛好するくらいの人の中には、バランス接続でしか音楽を聴けないと思っている人も多いので、逆にケーブルが多いのがお得と思うくらいかも知れません。