【レビュー】おすすめのイヤホン:MEZE AUDIO RAI PENTA

2019年9月16日

MEZE AUDIO RAI PENTA
MEZE AUDIO RAI PENTA
MEZE(メゼ) RAI PENTA ライ ペンタ ハイブリッド型イヤホン 5ドライバー(4BA+1DD) ユニバーサルIEM

完成度が高く、コスパも良いと各所で評判のイヤホンがMEZE AUDIO RAI PENTAです。

ビルドクオリティ

RAI PENTAはカスタムIEMのデザインを踏襲した、最近流行のスタイルのデザインを施されています。アルミ筐体は頑丈で耐久性が高いですが、軽量で耳に負担感を与えません。ビルドクオリティは高く、エッチングされたMEZE AUDIOのロゴにも風格があり、満足度は大変高いです。

仕様など

ドライバー:ハイブリッド型5 ドライバー
(4xカスタムBAドライバー、1xダイナミックドライバー)
再生周波数帯域:4Hz~45kHz
インピーダンス:20Ω
入力感度:110dB SPL/1mW
最大入力:30mW
ひずみ率:<1%
3.5mm ラジウム加工 MMCXケーブル同梱

※2.5mm/4.4mmバランスケーブル別売

https://mezeaudio.jp/rai-penta

音質

RAI PENTAの音質は、多くのレビュアーをその調和性の取れたバランス良い表現で感動させました。最近のIEMの流行スタイルに敢えて逆行する充実重視のサウンドで、解像度ばかりを追い求めていたIEMリスナーに「音楽性とは何か」を改めて問いかけるものとなっています。このイヤホンは完全に個性化されており、新しい驚きをもたらしました。

低域は一聴するとそれほど主張は強くありません。量感的には自然で全体の音楽を破綻させない良好なバランスを保っているように思えます。重低音に広がりが設けられているので、ベース音はとくにエネルギッシュに音場を支えてくれますが、前面に出てくる感じではなく、むしろ抑制的に支えている印象さえ受けます。しかし存在感は明確で深みは確かに存在します。重みは思った以上にずっしりとしています。

中域はふっくらとしています。少なくとも低域に近い方はかなり厚みが持たせられています。中域は清潔な感じではなく、とくに低域方向で緩い印象を与えるあたりは中高域の発色の良さを阻害しているという考える人もいるでしょう。中域は少し前屈みに押し出され低域より豊かに前進してきます。音は濃く、厚みがあり、ナチュラルな膨らみを感じさせつつ、それ以上に広がって頭を包み込んできます。音に自然な温かみがあり、中高域で充分にツヤがあって、コクのある濃厚で、そして美しい彩りのある音が豊かに響いてきます。分離感の幾分かが犠牲にされていることは確かです。ディテールも決して素晴らしいというわけではないでしょう。しかし、この中域の豊かで芯と太さのある音に心を動かされない人はいないと思います。ええ、魅了されました。

高域のディテール感はそれほどでもなく、むしろ抑制的です。一般的に高域のディテールを重視する現代的な音楽に対して、これではかなり抑制しすぎているのではないかという懸念は当然にしてあります。しかし、これは杞憂です。たしかに高域のディテール感は高くない、これは事実です。けれども、現代的な音楽を聴くのにイヤホン側に高域のディテールを詳細に表現する能力が必要かと言えば、否です。音楽制作の場でモニターするならたしかに高域の詳細な表現力は必須とされるでしょう。しかしリスニングにおいて、高域表現に集中することが必ずしも心地よさをもたらすものではないということをRAI PENTAが証明しています。RAI PENTAのほどよくディテールを抑えた自然な抜けのある高域のおかげで、中域にメロウで甘味さえ感じられる音像の複雑さが現出しています。高域はそれでもそれなりに詳細ですが、強調点は置かれておかず、中域、それも中高域の鮮やかさを色づかせるために、あえて明るさを抑えて、中域映えを意識して設計されています。そのおかげで私たちは、まるで押し寄せてくるかのような厚みのある色彩感を中域で味わうことができるのです。

サウンドステージは中域で豊かな広がりを持っており、低域に深みと広がりもあります。高域の高さはそれほど期待できないかも知れません。

コストパフォーマンス

あなたが最近のIEMは必要以上に高いと感じているならば、RAI PENTAは検討に値するでしょう。20万円の機種と13万円程度のこの機種を良く聞き比べて見て下さい。違いがありますか?おそらく「価格差ほど圧倒的な差を感じない」と思うことでしょう。少なくとも20万円の機種を購入しようとする前に、RAI PENTAを聴いていないならば、一度聴いてみる機会を作るべきでしょう。

より詳しい情報

より詳しい情報については以下のレビューを参考にして下さい。

【レビュー】MEZE AUDIO RAI PENTA レビュー:厚みと見通し感。透明感と充実感。相反する個性の融合 | audio-sound @ premium

記事内でも書いたが、標準イヤーピースでは当初は低域の厚みが感じられず、高域の明瞭感の高さだけが味わえる感じで、カリカリした硬い感じのクールイヤホンに思えた。しかし、イヤーピースを試聴テストのレファレンスであるスパイラルドット++に変えた途端に、低域の豊かな広がりが感じられるようになって、評価を変えざるをえなくなった。 重厚感がしっかりありながら、全体的に明るく見通し感を重視した現代的なサウンドキャ

MEZE AUDIO RAI PENTA

9.1

装着感

8.5/10

高音

8.5/10

中音

9.5/10

低音

8.5/10

コスパ

9.5/10

お気に入り度

10.0/10

Pros

  • ビルドクオリティが高い
  • ユーザー満足度が高い
  • コスパが良い
  • 中域が豊か
  • ボーカルがきれい
  • 低域に深みがある
  • ほどよく詳細で中域を引き立たせる高域

Cons

  • 知名度が低い