【レビュー】おすすめのイヤホン:FiiO FH5

2020年3月15日

FiiO FH5
FiiO FH5
[FiiO]FH5

FiiO FH5は非常にバランスの良いフラットサウンドを持ち、中高域はさわやかでのびやか、低域にはウォームでスピード感がある絶妙バランスの音響が上質だと高く評価されている機種です。

ビルドクオリティ

やや派手な貝殻状のシェルを持っています。ビルドクオリティは素晴らしいですが、何人かのレビュアーはフィット感がわずかに安定しないことを指摘しています。少しばかり重くて耳に負担感があることも事実なので、FiiO FH1やF9の良好なフィット感には若干劣るところがあるのはその通りでしょう。

仕様など

製品の仕様
ドライバー構成 3BA+1DD
再生周波数帯域 15Hz ~ 40kHz
能率 112 dB/mW
インピーダンス 19 Ω
付属ケーブルの長さ 1.2 m
重量 8 g (ケーブル含まず)
本体色 ブラック
ケーブル着脱 対応 (standard MMCX connector)
ケーブル LC-3.5B
プラグ L字型プラグ

https://www.fiio.jp/products/fh5/

音質

FiiO FH5の音は非常に均整の取れた、ハンサムな音というべきものです。低域は一定のディテールと量感を持っており、質が高いですが中高域を引き立たせて、自らはあまり目立ちません。その中高域はなめらかに上方向に伸びていくさわやかな音響で、繊維質な手触りを感じさせながら、端ではふんわりと空間に吸い込まれていく音です。

FH5の全体の音響を考えると、低域はあまり目立つバランスではありませんが、実際のところかなり精彩があり、イヤーピース次第でその存在感を強く味わうことができます。重低域まで血脈のようにしっかり音が通っており、ウーファー感を味わえます。またスピード感も充分でパンチは明確で快活なダイナミクスを感じさせてくれます。

中域は一見上品な貴婦人を思わせますが、細部に豊かな解像感を出し、ギターを聞いてみればじわりとジューシーに空間を色づけすることがわかります。男性ボーカルはウォームで自然な温もり感を持ち、女性ボーカルは明確です。

高域はかなり明るく輝き、ディテールが細かいにも拘わらず、手触りはしなやかすべすべでリラックス感のある音を実現しています。金属の尖りを幾分抑える調整になっているので、シンバルは少し嫋やかであり、この点が好みを分けるところはあるでしょう。中華製のイヤホンは一般的に高域で攻撃性を求める傾向がありますが、意外にもFH5は上品でしなやかな仕上がりになっており、攻撃性はかなり抑制されています。

サウンドステージは少し控えめです。分離感はよいですが、音場の広大さはあまり強調されません。

コストパフォーマンス

フラットで全音域のバランスが良く、明るめでしかも聴き心地のよい優美な音を求めているのなら、FiiO FH5はかなりコスパが良い機種です。金属光沢だけは抑えめですが、基本的に見通しが良くスピード感のある、それでいてさわやかな音響を聞かせてくれます。この上質サウンドを気に入る人は決して少数ではないでしょう。

より詳しい情報

より詳しい情報については以下のレビューを参考にしてください。

FiiO FH5

8.6

装着感

8.0/10

高音

8.5/10

中音

9.0/10

低音

9.0/10

コスパ

8.5/10

Pros

  • ビルドクオリティが高い
  • フラットな音質
  • さわやかな聴き心地
  • ディテールの良い低域

Cons

  • 少し重い装着感
  • 取り回しが微妙な太いケーブル