【レビュー】おすすめの中華イヤホン:KB EAR F1
amazonやAliexpressで格安販売している中華系IEMメーカー、Kinboofiの廉価イヤホンです。かなり低価格でmmcxリケーブルに対応し、バランスドアーマチュアドライバーなので繊細な音を奏でてくれます。
ビルドクオリティ
金型の精度が悪いのか、ビルドクオリティは価格を考えても結構いい加減です。ハウジングは左右の形が整ってないことが普通です。手に入れた個体も左右合ってませんでしたが、ネット上のレビューを見てもこれは標準みたいです。
外観は至ってシンプルで装飾性もなく、同じ価格くらいのシンプルデザインのイヤホン、final E1000と比べるとすごくチープな感じです。しかし、ハウジングに多少左右差があってもこの機種の音質には影響がなく、mmcxコネクタの噛み合わせも良いので、実用重視で考えれば割り切ることが可能です。
仕様など
モデル名:KBF F1
amazonの商品ページ
インピーダンス:22Ω
音圧感度:105db± 3 db
応答周波数:20Hz-20000Hz
ケーブルの長さ:120cm
マイク無し
音質
音質的には中高域に特徴的な出っ張りが感じられます。
低域は重低音には限界を感じますが、中低域は充分に厚みがあり、音楽全体を支えるのに合理的な程度に充実しています。この充分な量のある低域のおかげで、全体のトーンは温かみを帯びており、心地よい温度感を持っています。
中域は下の方で低域の影響を少し受けており、男性ボーカルに自然な濃さがあります。女性ボーカルは活き活きとしていますが、上ではやや窮屈に聞こえます。ボーカルに関しては中域真ん中あたりから伸びしろとなる中高域に向かうにつれて少し後退していて、それが上方向への拡張に限界を感じさせるところがあるのでしょう。一方でアコースティックギターはよく提示され、非常に鮮やかに聞こえてきます。
高域は3khzに特徴的な強調があるようで、少し露骨な尖りを感じさせます。ここは人間の耳にとって非常に聞き取りやすく繊細な音色が感じられる帯域ですから、ここを強調することで全体の解像度感を高めていると思われます。しかし、それより上では高域はやや急にロールオフするところがあり、シンバルに清潔な空気感ではなく、硬質な金属音を強調する傾向にあり、抜けがよい印象は受けません。
このイヤホンは3khzの強調によって一聴すると繊細で詳細な印象を与えますが、本当に音楽的な音にするためには高域をEQで強調する必要があるでしょう。中高域のディテールの高さにも拘わらず、実際には中域に一番の充実感を感じられるはずです。
コストパフォーマンス
解像度に関していえば、印象的には高い効果を期待できます。人にとって最も敏感な部分に集中した音作りをしており、バランスドアーマチュアの繊細な音色と相まって、同価格帯の一般的なイヤホンより詳細に感じられるでしょう。しかし高域はあまり伸びておらず、詳細な印象の割に充分な広がりと空気感、清潔感に欠けるので、少し暗い音に感じる可能性はあります。
しかしイコライザーの調整次第でこの問題は解決されます。 その点、やや玄人好みな機種になるでしょう。
より詳しい情報
より詳しい情報については以下のレビューを参考にして下さい。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません