【レビュー】おすすめの中華イヤホン:Kinera Odin
新興中国ブランド、KineraのフラッグシップモデルがOdinです。その音響デザインは正統派で丁寧です。
ビルドクオリティ
豪華なシェルプレートのビルドクオリティは悪くありません。装飾性を前面に出したデザインで高級感があります。装着感も良く考慮されています。ノズルの接合も不自然な感じがありません。
仕様など
https://www.e-earphone.jp/shopdetail/000000205191/
製品仕様
スペック
型式
8BA 4Way
(低域 × 2 Sonin製
中低域 × 2 Sonin製
中高域 × 2 Knowles製
高域 × 2 Knowles製)
音圧感度
116±1dB 3mW
再生周波数帯域
20Hz~20kHz
インピーダンス
24Ω
ケーブル
1.2m(3.5mmステレオミニプラグ)
付属品
イヤーピース7種
ノズルブラシ
3.5mmデュアルジャックアダプタ
6.3mmジャックアダプタ
イヤホンケース
音質
新興オーディオメーカーはえてして先鋭的な音を求めがちとの印象を持っている人がいるかもしれません。Odinはしかし、そうしたイメージを払拭するのに十分でしょう。このイヤホンは量感とメリハリ感のバランスを丁寧に考慮し、尖りなどの不快感につながりかねない要素に敢えて踏み込むこともなく、どちらかといえば保守的でオーソドックスな音響デザインを受け容れており、万人向きです。
低域の量感バランスはかなり魅力的で、音楽的な楽しさにつながるポイントをほぼ余すところなく備えています。重低音の空間支配力は強くなく、深みはそれほど強くありませんが、十分な広がりがあり、中低域とよくバランスが取られています。どちらかといえば中低域の厚みが目立つバランスですが、見通しは悪くありません。スピード的にも十分ですが、中低域にゆったりしたところもあるので、やや遅く感じる場面もあります。少なくともタイトさを強調する低域ではありません。
中域は清潔で見通しが良く、分離感も良くて音に張りがあります。中低域から中域にかけても量感があり、ボーカルに適切な甘味を提供しています。音はシャープではありませんが、十分に輪郭があり、音楽的で豊かなトーンを感じさせてくれます。解像感と音楽性のバランスをよく追及しており、この中域でもKineraがオーソドックスな音楽デザインを大切にしていることが窺えます。ピアノやギター、ボーカルにとても良い精彩があります。
高域は中域よりやや後退していますが、やや太く鮮やかに聴かせるバランスで充実感があります。ディテールを強調する感じではありませんが、音のツヤや輝きには十分な配慮があり、中域の豊かさからそのままつながっている印象を受ける安定的なデザインになっています。
コストパフォーマンス
非常に派手な外観に反して、Odinの音響デザインは正統派です。奇抜さよりは安定感重視で丁寧に音楽を表現してくれます。その表現力はやや中低域に寄せた感じながら、それぞれの音域に相応の配慮が加えられ、聞こえのバランスもよく考慮されています。比較的万能性が高く、どんな音楽でも目立った破綻は感じない自然な音響観が実現されています。万能性の高いイヤホンを求めるなら、Kinera Odinはこの価格帯で有力候補になるでしょう。
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