【レビュー】おすすめのイヤホン:FAudio Major
香港のカスタムIEMメーカー、FAudioのイヤホンで、「ダブルレイヤー構造ダイヤフラム」や「トリプル・アコースティックチャンバー」などといった高級オーディオ技術が惜しみなく投入されたモデルになります。日本のオーディオ商社ミックスウェーブが共同開発に参加しています。
ビルドクオリティは抜群
イヤホンのビルドクオリティは明らかに高く、同価格帯でも傑出していると思えるくらい精密に加工されています。まるで高級宝飾品のような品性の高いデザインに惹きつけられるはずです。全体的な色合いと質感も美しく、ノズルの接合も非常に丁寧になされており、価格帯でも一段上の高級感を持っています。
この高級ブランド感のある、レトロとも宝飾的とも見える独特の見た目が好きで買ってしまう人もいるでしょう。
音質
ダイナミックドライバー1発です。ドライバーが一つのおかげで全音域の連携はスムーズです。また低域に量感的な不足はなく、充分な沈み込みが感じられます。その上にダイナミックドライバー機とは思えない、自然でのびやかな中高域が広がっている機種になります。
この機種は間違いなく低域の評価で多くの支持を得ています。ダイナミックドライバーらしい「重」量感とダイナミックドライバーにしては上質なディテール感を持っている低域は、音を深掘りし、よく沈み込ませ、下では重さを感じさせながらも、中低域付近ではタイトに締まっています。低域の制御は正確で、重低音の鳴動とドラムのキックが明確に分離されており、混じり気のない透明感のある低域が味わえます。そうした分離感を明瞭に感じさせつつも、ややウォームで聴き心地の良い、この低域は中域へと自然につながっています。BAドライバーの低域のように黒塗りされた感じの音ではなく、あくまでふくよかな温かみを持って音場を支えてくれているので、中高域がそこに自然と収まることができるのです。蓋し名機と呼べる素養を充分に備えた低域と言えるでしょう。
中域と高域は低域のウォームな感じに支えられながら、上に向かうにつれ、徐々に自然な清涼感を獲得していくような、1ドライバーならではの、破綻のないグラデーションを見せてくれます。曇った印象はなく、どこまでも透き通っていますが、音の尖りは抑えられています。鮮明度を高めたり、味付けを感じさせるためのとっかかりとして、ギターやハイハットに少しだけ角を持たせているようですが、全体的には中域でつややか、高域でさわやかというバランスで、ボーカルはとくに艶めかしい色があります。金物系とボーカルは価格帯屈指の表現力で、刻みのよさと生気感のある音で高い解像感を味わわせてくれます。
全体的にはBAドライバー機では味わえないふっくらとした、生々しい透明感のある艶やかさと、低音から高音まで正確に一連なりになって連携する、1ドライバーならではの構成の良さが光る機種です。
コストパフォーマンス
この価格帯でコスパを語ることはほぼ無意味ですが、それでも明らかにビルドクオリティは価格帯上位で、音質的にも抜きんでるものを感じます。もはや宝飾品としても成り立つのではないかという製品で、非常に高い満足感を与えてくれます。こちらは低域の精彩が素晴らしい機種なので、高低バランスは異なりますが、同じく重心が定まった音楽全体の組み立てに優れ、ボーカルの美しいCampfire Audio ANDROMEDAが競合相手でしょうか。
より詳しい情報
より詳しい情報については以下のレビューを参考にして下さい。
【レビュー】FAudio Major:ディテール感を重視した重心の低い低域の上に、全体的に適度な濃度感があり、高域はさわやかながら手がかりも用意されている。1ドライバーならではの統一感 | audio-sound @ premium
低域ではかなり定評のある機種で、この前にCampfireAudio ATLASをちょこっと聴いたけど、重厚感はこっちのほうがあるんじゃないかな? …
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