【レビュー】おすすめのイヤホン:Etymotic Research ER4XR
Etymotic Researchの代表的なイヤホンER4は2016年にリファインされました。ER4SRとER4XRです。そのうち低域重視にチューニングされているモデルがER4XRです。
ビルドクオリティ
非常に繊細な細身のデザインを持っているイヤホンですが、ビルドクオリティは高いです。製品はアメリカのファクトリーで1つ1つ丁寧に検品された後に梱包されており、不良品が混ざっていることはほとんどありません。
ケーブルやmmcxコネクタのクオリティも高く、とくにケーブルには全く癖がなく、取り上げれてもよじれずに自然なカーブを描きます。
仕様など
ドライバー
https://kanjitsu.com/product/er4xr/
バランスドアーマチュア型(1基)
インピーダンス
45Ω
ノイズ減衰量
35~42dB
最大出力音圧
122dB SPL
感度
98dB SPL(0.79V input)
再生周波数帯域
20~16,000Hz
入力プラグ
3.5mm ステレオ・ミニプラグ、L型
コード
1.5m(着脱式MMCXコネクター)
付属品
フォーム・イヤーチップ・ブラック(2ペア)、3フランジ・イヤーチップ S・フロスト(1ペア)、3フランジ・イヤーチップ・クリアー(2ペア)、フィルター交換ツール、交換フィルター(4個)、シャツクリップ、ジッパードポーチ、ステレオアダプター
保証期間
2 年
音質
名機ER4の音質を受け継いだER4シリーズの音は当然の如く欧米や日本で高い評価を受けています。
低域モデルとはいうものの、ER4XRの低音はそれほど量感が豊かなわけではありません。それでも低域はおそらくドライバーの性能の限界まで突き詰められていて、パンチは明確です。床面も確かな存在感を持っています。ただしダイナミックドライバーの低域に比べるとだいぶおとなしく思えることは事実です。
わずかに中域の上辺が強調されていますが、これは全体的に自然でフラットなつながりを持っているこの機種で、唯一の音の手がかりになるようなものです。それ以外は全体的に着色が少ない音響です。
高域も脚色がなく、極めて自然に抜けます。シャープネスやつややかさを強調する感じは全くありません。フィルターは無色です。
サウンドステージと解像度はER4XRの優秀性を遺憾なく感じさせますが、脚色の無さは音を平面的に聴かせるところがあります。ダイナミクスには欠ける印象を受けやすく、リスニング向きには物足りなく思えるかも知れません。
同じシリーズのER4SRに比べると低域は早く減衰するために印象は薄く、中高域の精彩に少し寄った音に聞こえます。手応えの少ないER4XRの音よりは、ER4SRの少しだけ派手さの感じられる音の方が好きという人も多いかも知れません。しかしER4XRのほうがフラットな印象を受けます。
コストパフォーマンス
音質の完成度の高さを考えると、コスパは悪くありません。しかしその音に派手さはないので、ひたすら澄み切った無職のフィルターを通して解像度を聴くことになります。素晴らしいサウンドですが、超純水がミネラル分の欠如によって逆にエグ味を感じさせることがあるように、それほど極端ではないにしろ、無色透明感の強い音質は人を選ぶところが多少あります。
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