【レビュー】おすすめのイヤホン:Etymotic Research ER2SE

2019年12月12日

Etymotic Research ER2SE
Etymotic Research ER2SE
etymotic reserch ER2SE イヤホン エティモティックリサーチ

Etymotic Researchから新たなER2シリーズが発売されました。ダイナミックドライバーを採用しているのが特徴です。

ビルドクオリティ

Etymotic Researchの上位機種との統一感のとれたデザインが提供されています。ER4SRに比べると、明るいブルーの色合いは軽やかな印象を与えます。材質感は少しチープかもしれませんが、工作精度はチープではありません。ケーブルはmmcxコネクタ式で付け外し可能です。

仕様など

インピーダンス
15Ω


ノイズ減衰量
35~42dB


最大出力音圧
120dB SPL


再生周波数帯域
20~16,000Hz


入力プラグ
3.5mm ステレオ・ミニプラグ、L型


コード
1.5m(MMCXコネクター着脱式)


付属品
フォーム・イヤーチップ・ブラック(1ペア)、3フランジ・イヤーチップ S・フロスト(1ペア)、3フランジ・イヤーチップ・クリアー(1ペア)、フィルター交換ツール、交換フィルター(2個)、シャツクリップ、ジッパードポーチ


保証期間
2 年

https://kanjitsu.com/product/er2se/

音質

ER2シリーズの上位機種との大きな違いは、バランスドアーマチュアドライバーではなく、ダイナミックドライバーを搭載していることです。このことによりER2はERシリーズ全体の中でも特異な位置を占めており、Etymotic Researchらしいフラットサウンドにより厚みが加わった低域が組み合わされています。上位機種と比べるとER2の音は緩く感じられることは事実です。

低域はER4SRやER3SEに比べて明確なボディを持って豊かに聞こえてきます。しかしER2SEの調整はフラットに行われているため、この低域は強調が加えられてはいません。重低音よりは中低音がやや広がり、タイトさではバランスドアーマチュアモデルにかないませんが、より自然な音の広がりを持っています。

低域から中域へは落差が設けられており、明確な分離が感じられます。ER2SEのステージングは広々としており、自然です。ボーカルへのフォーカスは丁寧に行われていて、前面にしっかり聞こえてきます。色味はやや薄味ではありますが、音色は美しく、減衰も自然です。Etymotic Researchらしいクリーンな空間表現が味わえますが、バランスドアーマチュアモデルに欠けている音の厚みと広がりが感じられ、より音楽的です。

高域はクリーンですが、それほど伸びやかではなく、高さを強調しません。音にはER4SRより自然なトーンが感じられ、生々しさがあります。音の広がりのある打楽器ではとくに音の質感の違いを感じるでしょう。上位機種よりER2SEが優位な点がこの音のナチュラルさにあります。

コストパフォーマンス

非常に詳細でクリーンなEtymoticサウンドにダイナミックな音楽性が加わったモデルがER2SEです。これまでのEtymotic製品のファンにも新しい驚きをもたらす機種です。控えめに言って、魅力的な機種です。

同価格帯でのライバルはSENNHEHISER IE40 Proでしょう。より低域の存在を感じたいならIE 40 Proのほうが優れており、ステージングもより広く感じられるでしょう。より暖かみもあります。ER2SEはよりニュートラルでボーカルフォーカスされたサウンドが楽しめます。低域の厚みではIE40にはかなわないかもしれませんが、スピード感では勝っています。

Etymotic Research ER2SE

8.6

装着感

9.0/10

高音

8.0/10

中音

8.5/10

低音

8.5/10

コスパ

9.0/10

Pros

  • ビルドクオリティが高い
  • 遮音性が高い
  • ボーカルがきれい
  • バランスが良いフラットサウンド
  • スピード感のある音
  • 中域がクリーン
  • 自然な音色

Cons

  • 低域が少し薄味