【レビュー】おすすめのイヤホン:SIMGOT EM5

2020年3月15日

SIMGOT EM5
SIMGOT EM5
simgot em5 IXDD + 4 x BAハイブリッドFlagshipイヤホン クリア EM5

SIMGOT EM5は中国のIEMメーカーSIMGOTの人気シリーズ「洛神」のフラッグシップモデルです。中高域音に充分な艶やかさと高域に華やかさのあるサウンドを奏でます。このイヤホンはCampfire ANDROMEDAやROSE BR5 mk2などとよく比較される機種です。

ビルドクオリティ

梱包や付属品はシンプルですが、高級感があります。過剰な派手さを排して必要充分なプレミアムにとどまっていることは、コストパフォーマンスの面からもリスナーにとって好ましく思えます。

本体はアルミニウムの金属製インナーハウジングを透明なプラスチック製のアウターハウジングで包み込んだ「洛神」シリーズ共通のデザインです。カラフルな色合いで都会的だったEM3に比べると、透明感を重視したEM5のデザインはより下位機種のEM2に接近しています。

仕様など

SPECS
Simgot
1 x 10mm dynamic driver (mids and bass)
2 x Knowles TFK-30017 balanced-armature drivers (mids and treble)
2 x Knowles TWFK-31736 balanced-armature drivers (extremely high frequencies)
Soft PU tube over ear hook
Frequency response: 15 Hz–40 kHz
Sensitivity: 101 dB
THD: <1% at 101 dB

INCLUDED
Leather case
0.78mm 2-pin 6N OCC+SPC braided cable
User guide
6 pairs of ear tips

https://drop.com/buy/simgot-em5-iem

音質

EM5のサウンドは全体的な統一感に優れて首尾一貫しており、女性ボーカルの聴き応えにその表現力の粋があります。

低域はスピード感を重視したメリハリの良いサウンドを提供します。ダイナミックドライバーを積んでいるにも拘わらず、厚みや量感はそれほど強調されず、重低音も良好な振動感を提供するものの、深掘り感を強く意識させる感覚は無いでしょう。ドラムは波打つような躍動感を感じさせて音楽を楽しくさせてくれますが、それが全体の中で目立ちすぎない適切な量を保っています。低域に充分な存在感がありますが、低域好きを満足させるほど強いものではありません。

中域は「洛神」シリーズが最も「らしさ」を発揮する音域です。ボーカルの分離感は男女問わず良好ですが、とくに浮き上がるように伸びてくる少し明るい女性ボーカルは印象的に聞こえるはずです。中高域は非常につややかに明快に聞こえるようになっており、音場に充分な明るさとディテール感をもたらします。やや硬めのクリスプな印象を与える音ですが、透明感に満ちています。

高域は非常に良く拡張されており、上方向に高く伸びています。シンバルや金管、アコースティックギターの粒立ちや空気感は丁寧に出て、華やかな感じを曲に与えてくれるでしょう。ジャンルによってはたしかに明るすぎるところはあるかもしれませんが、基本的に明快で難解さのない高域です。若干尖りは強いところがありますが、刺さるほど強く押し出されては来ません。

サウンドステージも実際以上に優秀です。これはEM5の音質的に中域にかなりの分離感があり、それがわかりやすく見通しよい形で曲の奥行き感を出すからです。実際の音場はそれほど広いというわけではありませんが、開放的で左右よりは奥行きを強調する音場感を持っています。

コストパフォーマンス

2019年6月現在、SIMGOT EM5は日本国内でこの機種を正規販売していません。そのため手に入れるのに若干の困難があります。女性ボーカルの曲を明るく楽しみたいなら、このイヤホンは非常にパフォーマンスが良く、アイドルソングなんかではこれより上位の価格帯の機種以上の満足度を得られるかも知れません。コスパは良いです。

SIMGOT EM5

9

装着感

9.0/10

高音

9.0/10

中音

9.0/10

低音

8.5/10

コスパ

9.5/10

Pros

  • ビルドクオリティが高い
  • コスパが良好
  • 装着感が良い
  • 女性ボーカルがきれい
  • 艶やかな中高域

Cons

  • 明るさが強い
  • 見通しは良いが、音場は実際はそれほど広くない