【レビュー】おすすめの中華イヤホン:Tri Starsea
非常に人気がある中華イヤホンブランド「Tri Audio」から1万円台で買える魅力的なハイブリッドドライバー搭載IEMが登場しました。Tri Starseaです。
ビルドクオリティ
Tri Starseaは美しいドイツ製のレジンシェルを持ち、そのフェイスプレートは星の輝く夜空を思わせる魅惑的な相貌を持っています。その見た目はとても美しく、思わず目を奪われます。耳に入れれば多くの人の目を惹きます。
パッケージの内容も高品質でキャリイングケースが同梱され、イヤーピースも多数含まれており、ケーブルクオリティも価格帯では高品質の高純度銀メッキケーブルです。
全体的に価格以上の値打ちを感じます。
仕様など
- インピーダンス:9.5Ω
- 音圧感度:106dB + 2dB
- 応答周波数:20Hz〜20kHz
- ケーブルの長さ:120cm
- マイク:無し
- 本体カラー:紫
音響スイッチについて
このIEMには音響チューニングスイッチによって音質が変化します。その効果について説明します。
- exquisite pure tone:初期設定です。両方のスイッチを下げ、OFFにした状態です。このチューニング状態では中高域と高域がやや高い弱ドンシャリの音質に聞こえます。音場は広いですが、音源によってボーカルをシャウティに感じるかも知れません。
- amazing bass:スイッチ2をOFFにしたまま、スイッチ1をONにすると、低域が強調されます。重低域の存在感が増します。初期設定のexquisite pure toneのサウンドをピーキーに感じる場合、これを選択すると良いでしょう。
- balanced tuning:両方のスイッチをONにした状態です。この設定は最もマイルドに聞こえるでしょう。
- beautiful vocals:スイッチ1をOFFにし、スイッチ2をONにした状態です。中高域が印象的に聞こえ、ボーカルが前進します。中域を重視する場合、最適な設定です。
しかし、チューニングスイッチの効果は非常に限定的で、人によっては効果を感じないでしょう。
音質
Triで最も人気があるTri i3のウォームサウンドに比べると、Tri Starseaはニュートラルです。Tri Starseaは音場が広く、背景の静寂性は良好で、楽器の分離をかなり詳細に提示します。価格帯ではオーディオ特性的に非常に優れていますが、Tri i3のようなナチュラルサウンドではないため、その音が人によって「音楽的に聞こえない」可能性があります。
低域
全体の中での低域はニュートラルより少しウォームな位置にいます。スイッチ1をONにすると、少し強調されます。構造的には下に深い重低域が持ち上がった形をしており、イメージングに優れた見通しの良い低域です。音楽的ではありませんが、堅実なサウンドで、ダイナミックドライバーによって適切な量感と自然な質感を持っているため、非常にバランス感覚が良く、良質に思えます。
中域
中域は少し細い印象を受けますが、広大な音場が実現されています。幅と高さで優秀で、奥行きも良好です。ボーカルは楽器と空間的によく分離され、詳細にニュアンスが聞こえます。人によってはボーカルが広いステージで少し孤立しているように思われるかも知れませんし、楽器音は少し人工的な質感で、わずかにデジタルに聞こえやすいところがあるのは留意が必要です。
高域
高域は自然な滑らかさとかなりの高さまで到達するエクステンションを持っています。質感は少し人工的ですが、雰囲気は充分にナチュラルで、アコースティックな音楽を聴いてもあまり違和感は感じないでしょう。高域は響きすぎないように適切に調整されており、高い音のまとまりはよく、粒立ち感はニュートラルより少し強調されています。
音場
1万円台の価格帯では最も優れた音場を持つ機種の一つです。中域の広さはTri i3にはわずかに劣るかもしれませんが、全体的な空間はStarseaのほうが広い印象を受けるでしょう。
コストパフォーマンス
Tri Starseaは音場を重視するリスナーにはこの価格帯でかなり魅力的なIEMになりえますが、欠点がないわけではありません。インピーダンス値が非常に低いので、ソースを選ぶ傾向があり、出力インピーダンスが適切に調整されたIEMに対応したデジタルオーディオプレーヤーを利用しない場合、魅力は大幅に薄れます。音の質感の上でもそれはナチュラルよりは細く、繊細な傾向にあり、音楽的な充実感の点では、些か魅力に乏しい可能性があります。音楽性を重視する場合、Tri i3を手に取るべきです。それでもイメージングとサウンドステージの点で極めて優秀で、IEMとして正統派といえる仕上がりになっているため、この価格帯で卓越した魅力を持っていることは間違いありません。とくに音楽を分析的に聴くオーディオファンには望ましく思えるでしょう。
より詳しい情報
より詳しい情報については以下のレビューを参考にして下さい。
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