【レビュー】おすすめのイヤホン:SENNHEISER IE 40 Pro
創業70年以上のオーディオの名門SENNHEISERから新しく出たIE 40 proが非常にコスパが良いと評判になっています。以前紹介したMOMENTUM In-Earとは異なり、こちらはコンシューマー向けではありませんが、正確性の高いサウンドを安価に消費者に提供してくれる有力な選択肢です。
ビルドクオリティ
IE 40 proのデザインは驚くべきことに、全くSENNHEISERらしくありません。これまでのSENNHEISER製品のシルエットになれている消費者には、これはどこから見てもSHUREの製品に見えるでしょう。印刷されたSENNHEISERロゴがついていなければ、これがSENNHEISERの製品とは信じられないはずです。しかもこのデザインは流行に媚びているようで、実際は10年くらい前に流行したスタイルです。SHURE製品に見慣れた消費者からは、「今更SENNHEISERはこのデザインで来るのか」と驚嘆されるでしょう。しかしこれはプロ仕様としてミュージシャンの装着感に寄り添った合理的選択の結果とも言えます。
どちらにせよいつものSENNHEISERのような、独特のディテールはありませんが、この商品の人気が高いという事実そのものがこの選択が決して誤りでなかったことを証明しています。このデザインは正当に消費者に受け入れられています。
仕様など
■スペック
https://www.sennheiser.co.jp/sen.user.Item/id/1212.html
型式:ダイナミック
周波数特性:20 Hz -18,000 Hz
インピーダンス:20 Ω
音圧レベル(SPL) :115 dB(1 kHz / 1 V rms)
全高調波歪(THD) :< 0.1 %(1 kHz, 94 dB)
ノイズ減衰:< 26 dB
磁場強度:3.5 mT
ケーブル長:1.3 m
重量:18 g
同梱品:
ソフトポーチ
クリーニングツール
シリコンイヤーアダプタ(S/M/L)
フォームイヤーアダプタ(M)
■カラー
ブラック
クリア
音質
SENNHEISERがバランスドアーマチュアではなくダイナミックドライバーを選びつつも、低域に強調が置かれていないという点はプロ仕様のイヤホンらしいと言えます。低域の強調は音楽に温度感を与えますが、しばしば他の音域を曇らせます。IE 40 Proの中低域はそのため、見通し感をよくするために少しセーブされています。量感的に足りないところがありますが、質感は満足できる低音でしょう。
SENNHEISERは中域に豊かさを求めるサウンド設計をすることが多いのですが、この機種はその点も控えめです。いつもの柔らかい温かみのあるSENNHEISERサウンドを期待していると、少し硬質で生真面目な音に聞こえます。
高域も歯切れの良さを意識して少し尖りを強調する音です。そのため、やや明るみの強い硬いサウンドを感じます。
コストパフォーマンス
SENNHEISERサウンドの王道を行く機種ではありませんが、中高域で明瞭感を高め、分析的な音響設計を進めたのはまさに現代的な音楽を正しくモニタリングするためにSENNHEISERが新たな一歩を踏み出した証と言えます。実際この機種の評価は高く、均整の取れた音質と評価されています。一度は聴いてみる価値がある機種と言えるでしょう。
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