【レビュー】おすすめのイヤホン:EarSonics ES2
フランスのIEMメーカーEarSonicsのエントリークラスモデルがES2です。Earsonicsの製品は自社設計で組み上げられており、独特のつややかな音には多くのファンがいます。
ビルドクオリティ
EarsonicsのESシリーズは、共通の強化アクリルハウジングデザインを持っています。形状は滑らかな曲線を描いており、装着感が考慮されています。ノズルは独特の漏斗状になっています。全体として非常に軽量です。
仕様など
ES2
https://jp.yamaha.com/products/brands/earsonics/es2/index.html
主な仕様
ドライバー バランスド・アーマチュア型(BA型)
ドライバー構成 2ドライバー/2ウェイ
クロスオーバー 2ウェイ・クロスオーバー
再生周波数帯域 10Hz – 20kHz
入力感度 119 dB/mW
インピーダンス 26.5Ω
入力端子 3.5mm ミニ端子
付属品 キャリングケース、イヤーピース、クリーニングツール
ケーブル 交換可能(2Pin)
音質
Earsonics ES2は中域にディテールがあり、ボーカルフォーカスされたイヤホンです。
重低音の拡張はよく、深さは比較的良く表現されます。中低域は穏やかな隆起を見せてわずかに低域を膨らませますが、それほど張り出さないので、比較的見通しの良い低域を提供します。その音は豊かと言うよりはタイトで、適度なスピード感があります。
中域はES2の最も美しく、素晴らしい領域です。その音は真にボーカルフォーカスされており、男性ボーカルも女性ボーカルも濃く、きれいに聞こえます。中高音に向かってゆるやかな前傾が見られ、女性ボーカルに豊かなハーモニーをもたらします。甘味と抜けの良さ、透明感が十分に感じられるでしょう。またボーカル周りにはクリーンな空間が用意されており、十分にボーカルフォーカスしてリスニングすることが出来ます。
高域は中域よりはやや後方にあり、ボーカルフォーカスが失われないように、高域楽器を適度にマイルドに背景にずらします。シンバル音はなめらかで、空気感を強調することなく、ボーカルのツヤを支えます。高域は上位機種のES3やES5に比べて明らかに明るくなく、ロールオフは早いですが、ディテール感は適度に維持されています。
Earsonicsの特徴の一つはそのステージングの広さにもあります。幅と奥行きにおいて素晴らしい見通しを提供してくれます。
コストパフォーマンス
日本での実売価格は5万円です。ES2は決して魅力の足りない機種ではありませんが、ES3が比較的近い値段で買えることを考えると、少し購入を躊躇させるところがあります。このイヤホンは素晴らしいボーカルフォーカスを持っていますが、低域愛好者には物足りないでしょうし、高域に明るさを求める人はES3により多くの魅力を感じるでしょう。ただしアコースティック音楽の表現力では、ES2をES3より高く評価する声が多いということは付け加えておきます。
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