【レビュー】おすすめのイヤホン:CAMPFIRE AUDIO COMET
人気の高いCAMPFIRE AUDIOのエントリークラスイヤホンがCOMETです。ハイエンド価格の機種が多いCAMPFIRE AUDIOの中では廉価で手に入れやすく、その質の高い音響を楽しみたい人のための入門用モデルになります。
高いビルドクオリティ
ステンレススティールで造形されたイヤホンデザインは非常に高級感があります。光沢は滑らかでノズルもアンティーク感を漂わせる、レベルの高いビルドクオリティです。外観や付属品のポーチには価格以上の満足感があります。
音質
この機種は比較的女性ボーカルの聞こえが良いということでおすすめされやすい機種です。実際中域に一番のチャームポイントがあり、価格帯ではもっともボーカルが輝くイヤホンの1つであると言えます。低域と高域はこの中域の聞こえから逆算してチューニングされている雰囲気があり、前面に出てくるボーカルに対して親和的な、中高域のスムーズな音色を提供します。同価格帯での一番のライバルは間違いなくqdc NEPTUNEでしょう。
低域はあまり深掘りされず、重低感は強調されません。やや重心が高めで暖かい印象を受ける音です。低音は少し落ち着いて感じられやすいです。ベースギターは膨張した感じが出てエッジが若干ボケます。
中域はなめらかに低域とつながっています。男性ボーカルの聞こえも良いですが、女性ボーカル付近で最も発色が良くなるようなバランスになっています。ボーカルは混濁や刺さりとは無縁で前面に出てきます。聞き疲れしにくい滑らか音色で心地よいリスニングを提供します。
高域は輝きが少し抑えられていて、上の方では比較的早く音が抜けて、高い感じはあまりありません。この価格帯のライバル機種と比べて、COMETが後塵を拝するとすれば、この高域の、若干味気ない感じがその要因になりえます。実際ライバルであるqdc NEPTUNEの、より高くまで明瞭なサウンドとよく比較されるところです。
僕の見立てでは、このイヤホンの音質は完全に女性ボーカル中心に組み立てられています。その点に関してはコスパ最強クラスのイヤホンと言えるでしょう。ただ低域と高域は中域ほどの精彩がなく、全体としては地味な印象を受けやすいところがあります。とくに高域に不足感を感じる人は多いかも知れません。音場は充分に明るいですが、高域の解像度は同価格帯のIEMに比べて、とくにqdc NEPTUNE相手のときに、足りない印象を受けやすいです。
コストパフォーマンス
ビルドクオリティや付属品の質の高さは物欲を満たしてくれます。まるでハイエンド機を手に入れたような満足感を得られるでしょう。音質は女性ボーカルを聴くのに向くという利点以外は、比較的没個性的で素直です。これを奥ゆかしいとみるか、おとなしいと見るかでパフォーマンスの全体的な評価が変わるでしょう。
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