【レビュー】おすすめスピーカー:EWA A110mini
小型で持ち運びに便利なポータブルスピーカーがEWAから発売されました。EWA A110miniです。実は小型のポータブルスピーカーは近頃じわじわと人気を増してきています。なぜでしょうか?
最近はスマホなどを運転時に使用する「ながら運転」に起因する交通事故が多くなり、安全運転意識が厳しくなっています。自転車運転時にイヤホンを着けての走行は条例で禁止されていることも多く、道徳的にもオススメされません。イヤホン着用運転は路上喫煙と同じくらいマナーの悪い行動になりつつあるのが今の日本と言ったら、大げさでしょうか。
そのため脚光を浴びているのが小型ポータブルスピーカーです。カラビナを使ってバックパックや鞄、衣服に付けて、耳を塞がずに音楽を楽しめるため、安全運転意識の上でも優れているというわけです。
室内用スピーカーとしては微妙
この手の小型ポータブルスピーカーの共通する特徴として、室内での利用にはあまり向かないというのが挙げられます。どういうことかと言いますと、筐体いっぱいまでの大きさのドライバーを搭載しているため、その振動を本体で吸収するということはあまり考えられていません。だから室内で設置する場合には比較的小さめの音量でも硬い設置面ではガタガタ振動しますから、音は不安定になりますし、そんな使い方をしていると故障の原因になります。
一応、このスピーカーには専用のケースが付属していて、メッシュ面からスピーカー音も抜ける構造になっているので、室内で使うにせよ屋外で使うにせよこのケースを使った方が良いです。ケースに入れれば室内用としても比較的安定して使えます。しかし今度は逆に音質に少し篭もる感じは出るので、やはり屋内用にはもう少しデカくても構造的にしっかりしたものを選びましょう。
小型なのにタフな連続再生時間!
この機種のような小型ポータブルスピーカーの欠点は何でしょうか?それは連続再生時間です。コンパクトに仕上げる関係上、どうしてもバッテリー容量は控えめになりがちです。ドライバーを小さくすればバッテリー容量を稼ぐことが出来るかも知れませんが、それでは音質の方が犠牲になってしまいますね。
このスピーカーはコンパクトなのに14時間の連続再生時間を実現しています。少なくとも他の小型ポータブルスピーカーでここまで長い連続再生時間を実現しているものは比較的稀なので、この機種のアドバンテージの1つはその点にあります。
インターフェース
インターフェースはスピーカー底面に集中されており、これは個人的に好印象です。わかりやすいですね。
音質
EWAの説明によると、このスピーカーは従来品の2倍の音量効率を持っており、小型ポータブルスピーカーでは随一といえる量感のあるサウンドを楽しめるとしています。従来の小型ポータブルスピーカーのネックは何かというと、ずばり音量感でした。こうしたポータブルスピーカーは室内ではそれなりの迫力を持って聴かせてくれるのですが、屋外では直接自分の方に向けない限り、どうしても音量感が出ません。胸元や腰回りに着ければそれなりの重低感を味わえるのですが、低音の味がないのもマイナスポイントです。
このスピーカーは構造を徹底的に改良して音量が出るようにしたばかりでなく、音が360°に広がるよう構造を工夫して方向によって音が変わりやすいという小型スピーカーの弱点を克服しようとしています。従来の小型スピーカーと異なり、ドライバーの周囲に波形エッジを設けてドライバーユニットの共振がより柔軟に空間に広がるよう工夫されています。これによって単体の40mmドライバーの能力以上にパワフルな振動波をより広く空間に送り込めるという構造になっているとのことです。
僕が聴いた限りでも、小型ポータブルスピーカーの中では随一と言って良い力強いサウンドで、屋外で使用するにはもってこいと言えます。メーカーの宣伝文句では設置面によって音質が変わるので楽しめるみたいなことも言っていますが、前述したように屋内用としてはパワフルすぎる小型スピーカーは少し微妙です。大きさの割に部屋鳴りもしやすいところがありますから。
なお2台このスピーカーを用意すると、ペアリングさせてステレオモードで音楽を楽しむことが出来ます。
防水性能
防水性能はスペックわかりません。たぶんあまり高くないです。まあケースに入れて使うことが前提のような機種なので、野外使用時はケースに入れていれば多少の雨でも問題ないと思います。裸で使わないようにしましょう。
コストパフォーマンス
使いやすい屋外用ポータブル小型スピーカーとして充分な性能を持っているにも拘わらず、価格は3000円を切っており、ほかの類似製品を比べてもコスパはよく思えます。最低価格というほど安くありませんが、最低価格の製品よりははるかによい音質と使い勝手です。
まとめ
オーディオ業界では完全ワイヤレスイヤホンが大変な人気になっており、今年の大ヒットと言えますが、完全ワイヤレスイヤホンは安全運転志向の高まりによって運転時に利用するには問題があります。安全性に問題があるイヤホンより、自転車通学・通勤のお供には小型スピーカーのほうがこれからのポータブルオーディオのトレンドになるかも知れません。この機種はそうしたトレンドを先取りするだけの魅力を備えていることは確かです。
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